『クイーンII』は、イギリスのロックバンド・クイーンが1974年にリリースした2枚目のスタジオアルバムです。
このアルバムはネットでも多く検索されており、独特のコンセプト構成と芸術的なジャケットデザインが注目を集めています。
この記事では、『クイーンII』アルバムの構成や魅力、評価を詳しく紹介し、今なおファンに愛される理由を紐解いていきます。
この記事を読むとわかること
- クイーンIIの収録全曲とその詳細な解説
- 白と黒のコンセプト構成が持つ意味と背景
- 発売当初と現在の評価の違いと再評価の理由

クイーンIIはどんなアルバム?白と黒のコンセプトに注目
クイーンの2作目となる『クイーンII』は、1974年にリリースされ、コンセプチュアルなアプローチが際立つ作品です。
このアルバムでは「サイド・ホワイト」「サイド・ブラック」という2つの世界観で構成されており、それぞれ異なる音楽性とテーマが展開されています。
まさにクイーンというバンドの多面性と創造性を象徴する1枚として、今なお多くのファンに評価されています。
サイド・ホワイトとサイド・ブラックの構成とは
『クイーンII』の最大の特徴は、レコードのA面とB面にそれぞれ異なるコンセプトが設定されている点にあります。
A面はブライアン・メイが主導し、「サイド・ホワイト」と呼ばれています。
哲学的かつ叙情的な歌詞が特徴で、曲調も比較的メロディアスで優美な雰囲気を持っています。
一方B面はフレディ・マーキュリーが主導する「サイド・ブラック」で構成され、より演劇的・幻想的な世界観が描かれています。
メドレー的な構成や変化に富んだ楽曲展開が多く、初期のクイーンのプログレッシブな一面を強く印象付けます。
この対比構成が、リスナーに深い印象を残す要因のひとつとなっています。
アート性の高いジャケットとメッセージ性
『クイーンII』のジャケットもまた、非常に象徴的かつ芸術性が高いことで知られています。
黒背景に浮かぶメンバーの肖像は、後の「ボヘミアン・ラプソディ」のPVにも引用されるなど、視覚的なインパクトの強さが際立っています。
このビジュアルは、フレディ・マーキュリーの強い意向によるもので、他のメンバーは白衣装を希望していたという裏話もあります。
視覚と音の両面で「白と黒」という対立の構図を表現し、聴く者に二面性の美しさと奥深さを伝えています。
単なるロックアルバムにとどまらず、アートとしての価値も高く評価されているのが『クイーンII』の魅力です。
代表曲「輝ける7つの海」など、注目すべき収録曲
『クイーンII』には、初期クイーンならではの実験精神とドラマティックな構成が色濃く反映された楽曲が並びます。
特にアルバムの最後を飾る「輝ける7つの海」は、シングルとしてもリリースされ、バンド初のチャートインを果たした重要な楽曲です。
その他にも、構成やテーマに独自の色を持つ名曲が多く、アルバム全体としての統一感と多様性を感じさせます。
幻想的でドラマチックな曲展開が魅力
本作に収録された曲の多くは、通常のポップやロックの構成にとどまらない複雑な展開が魅力です。
例えば「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」は、まるで一つの舞台劇を観ているかのような構成で、複数のメロディラインやテンポの変化が盛り込まれています。
この曲はのちの「ボヘミアン・ラプソディ」へとつながるスタイルの前身とも言われ、フレディのソングライティングの才能が存分に発揮された一曲です。
フレディ・マーキュリーの才能が光る楽曲たち
「フェアリー・フェラーの神技」や「ネヴァーモア」など、幻想文学やアートから影響を受けた楽曲も本作の特色のひとつです。
特に「フェアリー・フェラーの神技」は、19世紀の画家リチャード・ダッドの同名作品からインスピレーションを得ており、その世界観を音楽で表現するという高度な試みに挑戦しています。
フレディ・マーキュリーの芸術的感性が凝縮されたこの楽曲は、短いながらも濃密な構成が特徴です。
さらに、「父より子へ」「ホワイト・クイーン」といったブライアン・メイの作品は、哲学的なテーマと繊細なギターワークが融合し、クイーンというバンドの音楽的幅広さを印象付けます。
こうした多様な楽曲群が並ぶことで、『クイーンII』は単なるアルバムではなく、一つの芸術作品として成立しているのです。
クイーンII 全曲紹介と解説
『クイーンII』は、レコード時代に「サイド・ホワイト(A面)」と「サイド・ブラック(B面)」に分かれており、それぞれ異なる音楽性と世界観が展開されています。
ここでは、各曲の特徴や聴きどころを交えながら、全収録曲の解説をお届けします。
クイーンの音楽性の多様さ、そしてメンバーそれぞれの個性が感じられる楽曲が揃っています。
サイド・ホワイト(Side White)
- プロセッション(Procession)
ギタリストのブライアン・メイによるインストゥルメンタルで、アルバムの幕開けを飾る荘厳な楽曲。ギター・オーケストレーションが印象的で、アルバム全体のドラマ性を予感させる導入です。 - 父より子へ(Father To Son)
メイによる叙情的な歌詞と力強い演奏が融合した楽曲。家族へのメッセージが込められたロックバラードでありながら、ダイナミックな展開が魅力です。 - ホワイト・クイーン(White Queen (As It Began))
幻想的な雰囲気が漂う、ブライアン・メイ作の名曲。美しくも切ない旋律が、ロマンティックな世界を演出します。 - サム・デイ・ワン・デイ(Some Day One Day)
メイがリードボーカルも担当しており、彼の内面性を感じさせる静かな1曲。穏やかなアコースティックギターと繊細なコーラスが心地よいナンバーです。 - ルーザー・イン・ジ・エンド(Loser In The End)
ドラムのロジャー・テイラーが作詞・作曲・ボーカルを担当。母と子の関係をユーモラスに描いたロックナンバーで、力強いドラムとシャウトが印象的です。
サイド・ブラック(Side Black)
- オウガ・バトル(Ogre Battle)
フレディ・マーキュリーによるファンタジックで激しいナンバー。ギターリフとスピード感あふれる展開で、ライブでも定番となった人気曲です。 - フェアリー・フェラーの神技(The Fairy Feller’s Master-Stroke)
幻想的な歌詞と複雑なアレンジが魅力の1曲。リチャード・ダッドの絵画にインスパイアされ、マーキュリーの芸術性が炸裂しています。 - ネヴァーモア(Nevermore)
短いながらも美しいピアノバラード。愛の喪失をテーマにした哀しみと静けさが漂う、フレディの繊細な感情が表現された楽曲です。 - マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン(The March of the Black Queen)
アルバムのハイライトとも言える壮大な一曲。変化に富む展開と複雑な構成で、のちの「ボヘミアン・ラプソディ」への布石とも評される傑作です。 - ファニー・ハウ・ラヴ・イズ(Funny How Love Is)
ウォール・オブ・サウンド風のアレンジが施されたポップな楽曲。軽快なリズムとメロディが心地よく、アルバム全体の緩急を演出しています。 - 輝ける7つの海(Seven Seas of Rhye)
本アルバムのラストを飾る代表曲。シングルカットされ、クイーン初のチャートインを果たした記念すべき1曲で、幻想世界「ライ」の物語を描いています。
当時の評価とその後の再評価
『クイーンII』は現在では名盤として高く評価されていますが、リリース当初の受け止められ方は、今とは少し異なっていました。
リスナーや評論家たちは、前作『戦慄の王女』の印象も残る中で、このアルバムの奇抜さと実験的構成に驚かされたようです。
しかし、年月を経て再評価が進み、今日ではクイーンの初期の傑作として広く認知されるようになっています。
発売当初の評価と批評家の反応
1974年の発売当初、『クイーンII』は批評家からの評価は分かれていたのが実情でした。
「過剰に技巧的」「メッセージが見えにくい」といった否定的な声もあった一方で、「ユニークな構成」「サウンドの革新性」を評価する声もありました。
特にプログレッシブ・ロック寄りのファンには好意的に受け止められたようです。
この時期のクイーンはまだ人気が爆発する前であり、アルバムも全英チャートで5位、全米では49位という実績を残しながらも、「商業的な成功」とまでは言えない状況でした。
ただし、日本では比較的早くから注目を集めており、オリコンで26位にランクインしました。
現在における評価と人気の理由
現在では『クイーンII』はクイーンの創造性が最も自由に発揮されたアルバムとして、音楽ファンから非常に高く評価されています。
フレディ・マーキュリーの構成力、ブライアン・メイの詩的な世界観、ロジャー・テイラーとジョン・ディーコンの個性が絶妙に融合しており、バンドの多面性を示す重要な作品として位置づけられています。
また、後年にリリースされた「ボヘミアン・ラプソディ」などの代表曲の“原型”を感じさせる構成が多く、初期クイーンの集大成として注目されています。
アクセル・ローズが「自分の棺に入れてほしい」と語った逸話などもあり、ミュージシャンからの評価も高いことがわかります。
こうして見ていくと、リリース当初の賛否を乗り越え、時代を超えて愛される名盤としての地位を確立したことがわかります。
制作背景とバンドメンバーのこだわり
『クイーンII』は、その音楽性と世界観だけでなく、制作過程におけるメンバーの徹底したこだわりによって完成されたアルバムです。
録音技術や楽器の使い方、アートワークに至るまで、バンド自身が細部にまで意識を向けており、その熱量が作品の随所に表れています。
この章では、制作時のエピソードとそれぞれのメンバーのこだわりについてご紹介します。
録音場所とプロデューサー陣の存在
『クイーンII』の録音は1973年8月から1974年2月にかけて、ロンドンのトライデント・スタジオで行われました。
プロデューサーにはロイ・トーマス・ベイカーとロビン・ジェフリー・ケーブルが参加し、クイーン自身も共同プロデューサーとして制作に関与。
アナログ機材による多重録音を駆使したことで、幻想的で重厚なサウンドが生まれました。
特に注目すべきは、エフェクトの使い方やギター・オーケストレーションの技術。
この時期、スタジオ技術と創造性の融合がクイーンらしさを決定づけた要素とも言えるでしょう。
フレディの意向が反映されたジャケット写真
『クイーンII』のジャケットは、黒い背景に4人のメンバーがシンメトリーに配置された構図が特徴的です。
この写真は後に「ボヘミアン・ラプソディ」のミュージックビデオにも使われることになるほど、視覚的な象徴性を持つイメージです。
実はこのジャケットデザインには、フレディ・マーキュリーの強い意向が反映されています。
他のメンバーは白衣装での撮影を望んでいたものの、フレディが「ドラマティックな印象を与える」ことを理由に黒衣装を提案し、結果的にそのビジュアルが採用されました。
このように、音楽だけでなくビジュアル面でもコンセプトが徹底されていたことが、『クイーンII』のアート性をより高めたのです。
アルバム『クイーンII』の魅力と評価のまとめ
『クイーンII』は、クイーンというバンドが持つ多彩な音楽性、芸術的な表現、そしてメンバー一人ひとりの創造性が結集したアルバムです。
発表当時こそ評価は分かれましたが、現在では音楽的・視覚的に極めて完成度の高い作品として認知されています。
この作品を通して、クイーンは単なるロックバンドではなく、総合芸術を生み出す存在であることを証明したのです。
コンセプト・アルバムとしての完成度の高さ
『クイーンII』最大の特徴は、「サイド・ホワイト」と「サイド・ブラック」に象徴される二面性の構成です。
各サイドで異なる世界観が展開されつつ、アルバム全体としては一貫した美学が流れています。
これはコンセプト・アルバムとしての完成度が非常に高く、後のクイーン作品にも多大な影響を与えました。
また、細部に至るまで考え抜かれたジャケットや曲順、歌詞表現などからは、作品としての強い意志が感じられます。
このような構成力は、クイーンがいかに早い段階でアーティストとして成熟していたかを示す証でもあります。
今なお語り継がれる名盤としての存在感
『クイーンII』は、リリースから50年以上経った今でも、多くの音楽ファンに愛され続けています。
「輝ける7つの海」などの名曲は今なおライブやメディアで使用され、その存在感を失っていません。
また、他のミュージシャンからの評価も高く、影響を受けたアーティストも数多く存在します。
このアルバムは、クイーンの礎を築いただけでなく、音楽史における重要な転換点とも言える作品です。
もしまだ聴いたことがない方がいれば、ぜひ一度通して聴いてみてください。
『クイーンII』の持つ深い世界観に、きっと心を奪われることでしょう。
この記事のまとめ
- 1974年発表のクイーン2作目アルバム
- サイド・ホワイトとブラックの対照的構成
- 幻想的な世界観と演劇的な展開が魅力
- フレディとメイの個性が色濃く反映
- 全曲がコンセプトに基づいた構成美
- リリース当初は評価が分かれた作品
- 現在では初期クイーンの名盤と再評価
- ジャケットはフレディのこだわりが主導
- アートとロックが融合した芸術的作品

