ポール・マッカートニー『マッカートニーIII IMAGINED』本人自ら人選した豪華コラボの背景

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2020年末に発表されたセルフ・プロデュース作『マッカートニーIII』をベースに、世界的アーティストたちが再構築したリミックス・アルバム『マッカートニーIII IMAGINED』。本作は、単なるリミックス集ではなく、ポール・マッカートニー本人が参加アーティストを自ら選出し、楽曲の新たな可能性を提示した意欲作です。

ベック、デーモン・アルバーン、ブラッド・オレンジ、セイント・ヴィンセント、アンダーソン・パークなど、世代もジャンルも超えた豪華な顔ぶれが集結。なぜこのコラボレーションは実現したのか?その背景には、コロナ禍で制作された『マッカートニーIII』の特別な成り立ちと、ポールの現在進行形のクリエイティビティがありました。

この記事を読むとわかること

  • 『マッカートニーIII IMAGINED』制作背景と再構築の意図!
  • ポール本人が選んだ豪華参加アーティストの全貌!
  • 全収録曲の聴きどころと原曲との違い!
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『マッカートニーIII』から生まれた再構築プロジェクト

『マッカートニーIII IMAGINED』は、単なるリミックス作品ではありません。

その原点には、コロナ禍という未曾有の状況の中で制作された『マッカートニーIII』の存在があります。

ここではまず、原作誕生の背景と再構築という発想が生まれた理由を掘り下げていきます。

ロックダウンが生んだ原点回帰の作品

『マッカートニーIII』は、ポール・マッカートニーが自宅スタジオでほぼ一人で制作したアルバムです。

1970年の『McCartney』、1980年の『McCartney II』に続く流れを汲み、“宅録三部作”の完結編と位置付けられました。

世界がロックダウンに直面する中で生まれたこの作品は、内省的でありながらも創造性に満ちた内容として高く評価されています。

私はこのアルバムを聴いたとき、孤独の中でも音楽は止まらないという強いメッセージを感じました。

全楽器を自ら演奏し、多重録音で積み重ねられたサウンドは、ビートルズ時代とは異なる、しかし確実に地続きのポール像を提示しています。

それは過去の焼き直しではなく、現在進行形の創作だったのです。

結果として『マッカートニーIII』は、レジェンドでありながら挑戦者でもある姿を鮮明に示しました。

だからこそ、その楽曲群はさらなる可能性を秘めていたのです。

その可能性を次世代へ手渡す形で誕生したのが“IMAGINED”でした。

ポール・マッカートニー『マッカートニーIII IMAGINED』を聴く

収録曲全曲紹介|トラック別ガイド

『マッカートニーIII IMAGINED』は、原作をベースにしながらも、参加アーティストの個性によってまったく異なる表情を獲得した再構築アルバムです。

ここでは全収録曲をトラック順に整理し、それぞれの意味と聴きどころを簡潔に紹介します。

  • ファインド・マイ・ウェイ (feat.Beck):ベックが持ち前のポップセンスで再構築。原曲の軽快さにサイケデリックな色合いを加え、遊び心あふれるオープニングに仕上げている。
  • ザ・キス・オブ・ヴィーナス:ドミニク・ファイクによる解釈で話題となった一曲。ロマンティックな旋律を現代的R&B感覚で包み込み、世代を越えたメロディの普遍性を示す。
  • プリティ・ボーイズ (feat.クルアンビン):クルアンビンの浮遊感あるギターが印象的。原曲の内省的な空気を保ちながら、よりドリーミーでメロウな世界観へと拡張している。
  • ウィメン・アンド・ワイヴズ (セイント・ヴィンセント・リミックス):セイント・ヴィンセントが大胆に解体。エッジの効いたアレンジにより、楽曲のメッセージ性が一層際立つ刺激的なリミックス
  • ディープ・ダウン (ブラッド・オレンジ・リミックス):ブラッド・オレンジがグルーヴを強調し、洗練されたR&B/ソウル的アプローチに昇華。アルバム屈指のモダンな再解釈として注目される。
  • スィーズ・ザ・デイ (feat.フィービー・ブリジャーズ):フィービー・ブリジャーズの繊細なボーカルが楽曲に新たな陰影を与える。静謐で内向的なアレンジが、歌詞の余韻をより深く響かせる。
  • スライディン (EOB リミックス):レディオヘッドのエド・オブライエン(EOB)が空間的なサウンドデザインで再構築。原曲のロック色を保ちつつ、広がりのある音像を創出している。
  • ロング・テイルド・ウィンター・バード (デーモン・アルバーン・リミックス):デーモン・アルバーンが実験的にアプローチ。ビート感と反復を強調し、原曲の荒々しさに独特の浮遊感を重ねた。
  • ラヴァトリー・リル:ジョシュ・オムによるリミックス。原曲のコミカルな側面を活かしつつ、ロック的な厚みを加えたエネルギッシュな仕上がり。
  • ホエン・ウィンター・カムズ (アンダーソン・パーク・リミックス):アンダーソン・パークのリズム感が光る。温かみあるグルーヴが加わり、楽曲に現代的な躍動感をもたらしている。
  • ディープ・ディープ・フィーリング (3D RDN リミックス):マッシヴ・アタックの3D(ロバート・デル・ナジャ)が手掛けたダークで重層的なサウンド。ニュー・ジャズ的要素も感じさせる、最も実験的なトラックのひとつ
  • ロング・テイルド・ウィンター・バード (イドリス・エルバ・リミックス) (ボーナス・トラック):イドリス・エルバがクラブ志向のアプローチで再解釈。ビートを前面に押し出し、原曲とは異なるダンサブルな魅力を提示するボーナストラック。

楽曲の可能性を広げる“IMAGINED”構想

『マッカートニーIII IMAGINED』は、原曲を現代アーティストが自由に再解釈するプロジェクトとして始動しました。

これは通常のリミックス盤とは異なり、参加者それぞれが楽曲を“再創造”する試みです。

ポール自身がその発想を歓迎し、積極的に関わった点が大きな特徴です。

例えばエレクトロニカ的アプローチやヒップホップ的ビートの導入など、ジャンル横断的な解釈が行われました。

原曲のメロディラインを残しつつも大胆に構造を変える楽曲もあり、一曲ごとにまったく異なる表情が生まれています。

その自由度の高さが、この作品の醍醐味です。

私は本作を通して、楽曲とは固定された完成形ではなく、時代と共に変化し続ける存在だと再認識しました。

原曲と聴き比べることで、作曲の強度やメロディの普遍性もより鮮明になります。

それこそが“IMAGINED”というタイトルの真意ではないでしょうか。

ポール本人が人選した豪華アーティストたち

本作最大の注目点は、その参加アーティストの顔ぶれです。

しかも単なるレコード会社主導ではなく、ポール本人が人選に関わったという事実が重要です。

そこには彼自身の現在の音楽観が色濃く反映されています。

世代とジャンルを超えたラインナップ

ベック、デーモン・アルバーン、ブラッド・オレンジ、セイント・ヴィンセント、アンダーソン・パークなど、多彩な名前が並びます。

ロック、オルタナティブ、R&B、エレクトロといったジャンルを横断する布陣は、現代音楽シーンそのものの縮図とも言えるでしょう。

この幅広さが作品の多様性を決定づけています。

特に印象的なのは、各アーティストが遠慮なく自分の色を出している点です。

それはポールが単なる“御大”ではなく、対等なクリエイターとして彼らを迎え入れた証拠でしょう。

そこに上下関係は感じられません。

この姿勢こそ、長年第一線に立ち続ける理由だと私は感じます。

過去の栄光に頼らず、新しい才能と交差する勇気。

それが本作の核心です。

若手とのコラボが示す現在進行形の姿勢

ドミニク・ファイクやフィービー・ブリジャーズといった若手の参加は象徴的です。

これは単なる話題作りではなく、世代を越えた対話の実践です。

ポールは常に新しい世代に耳を傾けています。

若い感性が加わることで、楽曲は想像もしなかった方向へ展開します。

その化学反応こそが、“IMAGINED”の醍醐味です。

原曲の魅力が失われるどころか、むしろ強調される瞬間もあります。

私はここに、ポール・マッカートニーの本質を見る思いがしました。

それは挑戦をやめない精神です。

年齢やキャリアを超えて進化を続ける姿勢が、本作全体を貫いています。

なぜ今“再構築”だったのか

なぜポールはこのタイミングで再構築という形を選んだのでしょうか。

そこには時代背景と彼自身の創作哲学が密接に関わっています。

“IMAGINED”は偶然ではなく、必然だったのです。

孤独な制作から共有のプロジェクトへ

ロックダウン下で生まれた『マッカートニーIII』は、極めてパーソナルな作品でした。

しかしその楽曲を世界中のアーティストと共有することで、孤独は連帯へと変わります

これは音楽だからこそ可能な変化です。

再構築というプロセスは、単なる商業的戦略ではありません。

それは音楽を通じた対話と共創の実験です。

その精神がアルバム全体に息づいています。

結果として本作は、時代を記録するドキュメントにもなりました。

2020年代初頭という特殊な時間を、音で刻んだ作品です。

そこに私は大きな意義を感じます。

『McCartney III Imagined』通常盤とスペシャル・エディションの違い

『McCartney III Imagined』には通常盤とスペシャル・エディションが存在します。

どちらを選ぶべきか迷っている方も多いでしょう。

ここでは両エディションの主な違いを整理し、購入時の判断ポイントをわかりやすく解説します。

① パッケージ特典の違い

まず大きな違いはビジュアル面の特典です。

通常盤は基本的にCD本体(リミックス/再構築された11曲+フィジカル限定ボーナストラック)という一般的な仕様になります。

音源をシンプルに楽しみたい方には十分な内容です。

一方スペシャル・エディションは、通常盤とは異なるデザインの海外ポスターが付属します。

さらに日本盤では、日本独自の特典ポスターが封入されるケースもあります。

つまりスペシャル版はコレクター向けの限定パッケージという位置付けです。

② 収録内容(音源)の違いはある?

結論から言うと、アルバム本編の11曲はどちらも共通です。

ベック、デーモン・アルバーン、ブラッド・オレンジ、セイント・ヴィンセントらによる主要リミックスは同一内容となっています。

ここに違いはありません。

また、フィジカル(CD/LP)にはイドリス・エルバによるボーナス・リミックスが追加収録されます。

ただしこのボーナストラックは通常盤・スペシャル問わず収録される仕様です。

スペシャルだけの追加音源ではない点は注意が必要です。

③ アートワーク/ブックレットの違い

スペシャル・エディションは通常盤とは異なるジャケットデザインが採用されることがあります。

さらにポスターや封入物など、物理パッケージ面での豪華さが強調されています。

音源よりも所有する価値やビジュアルの魅力を重視した仕様と言えるでしょう。

一方、通常盤はスタンダードなアートワークで流通し、入手しやすさと価格面でのメリットがあります。

純粋に音楽を楽しみたい方には十分な内容です。

選択基準は“コレクション性”を重視するかどうかにあります。

まとめ|どちらを選ぶべきか

音源内容は基本的に同じという点が最大のポイントです。

スペシャル・エディションはポスターなどのビジュアル特典付きの限定仕様という違いがあります。

そのため、コレクターやポールのアートワークを楽しみたい方はスペシャル版がおすすめです。

一方で、楽曲そのものを堪能する目的であれば通常盤でも内容は十分です。

最終的には特典重視か、価格・実用性重視かで選ぶのがベストでしょう。

どちらを選んでも、『McCartney III Imagined』の革新的な再構築世界はしっかり体験できます。

ポール・マッカートニーの終わらない挑戦

『マッカートニーIII IMAGINED』は懐古的な作品ではありません。

今の音楽シーンと真正面から向き合ったアルバムです。

そこには過去への安住はありません。

79歳を超えてなお新たな挑戦を続ける姿勢は、音楽ファンに大きな刺激を与えます。

それは単なる年齢の問題ではなく、創作への情熱が衰えていない証です。

本作はその証明と言えるでしょう。

私はこのアルバムを、ポールのキャリアの延長線上にあると同時に、新章の幕開けだと感じました。

挑戦は終わらない。

そのメッセージこそが、『マッカートニーIII IMAGINED』最大の価値なのです。

この記事のまとめ

  • 『マッカートニーIII』から生まれた再構築プロジェクト!
  • ポール本人が人選した豪華コラボの実現!
  • 世代とジャンルを超えた多彩な参加陣!
  • 全12曲それぞれに新たな解釈と魅力!
  • 79歳を超えても続く挑戦と進化の証!
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あの曲と、あの瞬間|心に残る音楽日記
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