元ビートルズのドラマー、リンゴ・スターが2019年に発表したアルバム『ホワッツ・マイ・ネーム(What’s My Name)』。
本作はオールスター的な豪華ゲスト陣を迎えながらも、リンゴらしい温かさとポジティブなメッセージが全編にあふれる一枚です。
この記事では、『ホワッツ・マイ・ネーム』の楽曲内容、注目ポイント、参加ミュージシャン、そして作品全体の魅力をわかりやすく解説します。
- 『ホワッツ・マイ・ネーム』の作品全体像
- ポール参加曲の特別な意味!
- リンゴ流“そこそこ感”の魅力
『ホワッツ・マイ・ネーム』の結論|ファン必聴のポジティブ・ロック作品
リンゴ・スター通算20作目となるスタジオ・アルバム『ホワッツ・マイ・ネーム』は、彼の現在地を示す象徴的な一枚です。
豪華ゲストを迎えながらも、作品全体には肩の力が抜けた温もりと“らしさ”が貫かれています。
結論から言えば、本作は今のリンゴを最も自然体で楽しめるアルバムだと私は感じました。
本作は2019年にリリースされた通算20作目のスタジオ・アルバムであり、ロサンゼルスの自宅スタジオ「ロッカベラ・ウエスト」で制作されました。
参加ミュージシャンにはジョー・ウォルシュ、スティーヴ・ルカサー、ネイザン・イーストなど実力派が名を連ね、まさに“ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド”を体現する布陣です。
この人望こそがリンゴ最大の才能だと私は改めて感じました。
特に象徴的なのが、ポール・マッカートニーが参加した「グロウ・オールド・ウィズ・ミー」です。
ジョン・レノンの楽曲をリンゴが歌い、ポールがベースで支えるという構図は、ビートルズ・ファンにとって特別な意味を持ちます。
こうした背景も含めて、本作は単なる新作ではなく、ビートルズの歴史を内包した作品だと言えるでしょう。
一方で、全曲が大作志向というわけではありません。
むしろ良い意味での“そこそこ感”、つまり過度に気負わない自然体の仕上がりこそが本作の魅力です。
私はこの肩肘張らない佇まいにこそ、リンゴ・スターという存在の本質を感じました。
収録曲全曲紹介|アルバム完全ガイド
『ホワッツ・マイ・ネーム』は全10曲で構成され、リンゴ・スターの現在地をコンパクトに凝縮した内容になっています。
ここでは全収録曲を一覧で整理し、それぞれの意味と聴きどころを簡潔に紹介します。
『ホワッツ・マイ・ネーム』収録曲一覧
- ガッタ・ゲット・アップ・トゥ・ゲット・ダウン:軽快なリズムで幕を開けるオープニング。前向きな人生観を提示する導入曲。
- イッツ・ノット・ラヴ・ザット・ユー・ウォント:タイトル通り“愛とは何か”を問いかけるポップなロック。肩の力を抜いたメッセージが印象的。
- グロウ・オールド・ウィズ・ミー:ジョン・レノン楽曲をリンゴが再解釈。ポール参加でビートルズ的再会を感じさせる感動作。
- マジック:日常に潜む奇跡をテーマにした温かなナンバー。リンゴらしい包容力が光る。
- マネー:モータウン・クラシックのリメイク。ビートルズ時代へのオマージュを感じさせる軽快な一曲。
- ベター・デイズ:未来への希望を歌うポジティブ・ソング。穏やかなメロディが心地よい。
- ライフ・イズ・グッド:人生肯定のメッセージをストレートに伝える楽曲。タイトル通りの明るさが魅力。
- サンク・ゴッド・フォー・ミュージック:音楽への感謝を表現した、リンゴの信条そのものといえるナンバー。
- センド・ラヴ・スプレッド・ピース:「Peace & Love」を体現するメッセージソング。アルバムの精神的中心。
- ホワッツ・マイ・ネーム:観客とのコール&レスポンスを意識したタイトル曲。リンゴの“今も現役”宣言ともいえるフィナーレ。
タイトル曲「What’s My Name」の魅力
アルバムの幕開けを飾るタイトル曲「What’s My Name」は、本作の象徴ともいえるナンバーです。
シンプルで覚えやすいフレーズと軽快なビートが印象的で、ライブを強く意識した構成になっています。
ここにはリンゴ・スターの“今も現役”というメッセージがはっきりと刻まれています。
観客とのコール&レスポンスを意識した構成
「What’s my name?」と問いかけ、「Ringo!」と応える構図は、まさにライブ仕様の王道ロックです。
派手なアレンジに頼らず、リズムとグルーヴで押していく作りは、ドラマーであるリンゴの本質を感じさせます。
私はこの潔さに、長年ステージに立ち続けてきた自信と余裕を見ました。
演奏面では、参加ミュージシャンたちの安定したプレイが楽曲を支えています。
豪華な顔ぶれでありながら主張しすぎず、あくまで“リンゴの歌”を中心に据えるバランス感覚が絶妙です。
この引き算の美学こそ、本作全体に通じるサウンドの特徴だと感じます。
セルフアイロニーとスター性の融合
「俺の名前は?」とあえて問いかけるタイトルには、どこかユーモアが漂います。
世界的スターでありながら、少しとぼけた味わいを忘れない姿勢はリンゴならではです。
ここにはスターであることを楽しむ余裕がにじんでいます。
ビートルズという巨大な存在の一員であり続ける宿命。
その重みを背負いながらも、深刻にならずに軽やかに提示してしまうところが彼の強さです。
私はこの曲を聴きながら、リンゴという人物の“愛され力”を改めて実感しました。
結論として、「What’s My Name」は単なるオープニング曲ではありません。
それはアルバム全体のトーンを決定づける宣言であり、リンゴ・スターの現在進行形の自己紹介でもあります。
だからこそ、この曲は本作を象徴する最重要トラックなのです。
豪華ゲスト陣が彩るアルバムの聴きどころ
『ホワッツ・マイ・ネーム』を語る上で欠かせないのが、参加ミュージシャンの豪華さです。
本作はリンゴの自宅スタジオ「ロッカベラ・ウエスト」に仲間たちを招いて制作されました。
まさに“友人たちの力を借りて最高の音楽を作る”というリンゴ流スタイルが結実した作品です。
盟友たちとのコラボレーション
参加メンバーにはジョー・ウォルシュ、スティーヴ・ルカサー、ネイザン・イースト、エドガー・ウィンターなど、ロック/AORシーンを代表する実力派が名を連ねています。
さらにプロデュース面でもゲイリー・バーやサム・ホランダーらが関わり、楽曲ごとに異なる色合いを生み出しています。
この顔ぶれを見るだけでも、リンゴの人望と音楽的ネットワークの広さが伝わってきます。
しかし興味深いのは、これだけのメンバーを揃えながらも、アルバムが決して“技巧の見本市”になっていない点です。
演奏はあくまで楽曲とリンゴの歌を支えるために存在し、全体として温かくまとまっています。
私はここに、主役を理解したベテラン同士の呼吸を感じました。
ポール参加曲「Grow Old With Me」の特別な意味
本作最大の話題は、やはりポール・マッカートニーが参加した「Grow Old With Me」でしょう。
ジョン・レノンが晩年に残した楽曲をリンゴが歌い、ポールがベースで支えるという構図は、ビートルズの歴史を知る者にとって特別な響きを持ちます。
この一曲は事実上の“ビートルズ的再会”を感じさせる瞬間だと言っても過言ではありません。
さらにアレンジの中には、ジョージ・ハリスンの名曲を想起させるフレーズがさりげなく織り込まれています。
直接的ではないにせよ、4人の物語を想像させる演出が施されているのです。
私はこの控えめなオマージュに、過去を誇示するのではなく大切に抱きしめる姿勢を感じました。
結局のところ、リンゴのアルバムは常に仲間とともにあります。
それは依存ではなく、音楽を楽しむための自然な在り方です。
本作はリンゴ・スターという存在が“つながり”そのものであることを証明する一枚なのです。
収録曲の注目ポイント
『ホワッツ・マイ・ネーム』は、全体としてリラックスした空気をまといながらも、楽曲ごとにしっかりとした個性が感じられる作品です。
アップテンポなロックンロールから心温まるバラードまで、バリエーション豊かな構成になっています。
ここでは特に注目すべき楽曲の魅力を掘り下げていきます。
ジョン作品「Grow Old With Me」の再解釈
ジョン・レノンが遺した「Grow Old With Me」は、本作のハイライトです。
リンゴの穏やかなボーカルによって、原曲とはまた違う温かみが加わり、人生を共に歩むことの尊さがより現実味を帯びて響きます。
私はこのバージョンを聴きながら、“時間を重ねた者にしか歌えない説得力”を強く感じました。
ポール・マッカートニーがベースで参加している点も大きな意味を持ちます。
さらにアレンジにはビートルズ時代を想起させるさりげない工夫が施され、ファンの心をくすぐります。
この楽曲は単なるカバーではなく、リンゴ自身の人生と重ね合わせた再創造だと言えるでしょう。
モータウン・クラシック「Money」の軽快なリメイク
ビートルズ時代にも取り上げられたモータウンの名曲「Money」も収録されています。
オリジナルの荒々しさとは異なり、どこか肩の力が抜けたアレンジで仕上げられているのが印象的です。
ここには過去を懐かしみながらも楽しむ余裕が感じられます。
決して過度に攻めるわけではありませんが、その“ほどよさ”がリンゴらしい味わいを生み出しています。
全体を通して感じるのは、完璧を目指すというよりも音楽そのものを楽しむ姿勢です。
私はこの自然体の空気感こそ、本作最大の魅力だと考えています。
収録曲はどれも突出した実験作ではありません。
しかしその代わりに、何度聴いても心地よい安定感があります。
それこそがリンゴ・スターの“ごきげんなそこそこ感”であり、長く付き合える理由なのです。
リンゴ・スターの現在地を示す一枚
『ホワッツ・マイ・ネーム』は、単なる新作アルバムではありません。
それは80歳を目前にしてなお創作を続けるリンゴ・スターの“現在地”を示す作品です。
私は本作から、年齢を重ねても変わらない音楽への愛情を強く感じました。
変わらないテーマ「Peace & Love」
リンゴといえば「Peace & Love」というメッセージが代名詞です。
本作でもその姿勢は一貫しており、攻撃性よりも包容力を選ぶスタンスが随所に表れています。
ここにあるのは時代が変わっても揺るがない信念です。
ビートルズ解散後、幾度となく音楽シーンは変化しました。
しかしリンゴは流行に迎合するのではなく、自分のペースで作品を発表し続けています。
私はその姿に、ブレない生き方そのものの美しさを見ました。
“そこそこ”だからこそ続けられる強さ
リンゴのアルバムを語る際、しばしば話題になるのがその絶妙な“ほどよさ”です。
全曲が歴史的名曲というわけではありませんが、肩の力を抜いて楽しめる心地よさがあります。
それこそがリンゴ最大の魅力だと私は思います。
完璧を追求するのではなく、仲間と音楽を楽しみながら作品を形にする。
その姿勢は、若いアーティストには真似できない円熟の境地です。
本作は“続けること”そのものが価値であると教えてくれるアルバムでもあります。
結論として、『ホワッツ・マイ・ネーム』は革新的な問題作ではありません。
しかし、だからこそ安心して何度も聴き返すことができます。
私はこのアルバムを、今のリンゴを最も自然体で感じられる一枚として強くおすすめします。
まとめ|『ホワッツ・マイ・ネーム』は今のリンゴを楽しむ最良の作品
ここまで見てきたように、『ホワッツ・マイ・ネーム』は派手な革新を打ち出すアルバムではありません。
しかしその代わりに、リンゴ・スターという人物の魅力が等身大で詰まっています。
総合的に言えば、“今のリンゴを味わうための最良の一枚”だと私は感じています。
豪華ゲストの参加、ポールとの共演、ジョン作品のカバーなど、話題性は十分です。
それでも作品全体を支配しているのは、あくまで穏やかで温かい空気です。
このバランス感覚こそ、長年第一線で活動してきたレジェンドの余裕でしょう。
ビートルズという巨大な歴史を背負いながらも、重くなりすぎない。
仲間と音楽を楽しみ続ける姿勢を貫くことで、唯一無二のポジションを築いてきました。
私は本作を通して、“続けること”の尊さと強さを改めて実感しました。
ビートルズ・ファンはもちろん、肩の力を抜いてロックを楽しみたい人にもおすすめできます。
大作志向ではなく、人生を重ねたミュージシャンの温もりを感じたい方にこそ聴いてほしい作品です。
ぜひ一度耳を傾け、リンゴ・スターの現在進行形のメッセージを受け取ってみてください。
- 通算20作目のスタジオ作品!
- 豪華ゲスト参加の温かな一枚
- ポール参加曲が最大の聴きどころ
- ジョン作品を再解釈した感動作
- “Peace & Love”が全編を貫く
- 肩の力を抜いた円熟サウンド
- リンゴ流“そこそこ感”の魅力
- 今のリンゴを味わう最良の作品

