「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」は、1965年から1967年にかけて録音されたビートルズの未発表テイクやデモ音源、ライブ録音を収めた貴重なコンピレーションアルバムです。
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」の収録曲全曲解説を通じて、当時のビートルズの創作の舞台裏や、ライブパフォーマンスの熱気、そして楽曲の進化の過程を辿ります。
未発表音源やライブテイクから見えるビートルズの魅力を、全曲紹介と共にじっくりご紹介します。
この記事を読むとわかること
- 「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」の収録曲と全曲解説
- 未発表音源やデモ音源から読み解くビートルズの創作過程
- ライブテイクで感じるビートルズのリアルなパフォーマンス

ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2の収録曲全曲解説
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」は、ビートルズの進化を象徴する未発表音源やデモ音源、ライブテイクが満載の作品です。
特に1965年から1967年の時期は、彼らがポップアイドルからスタジオアーティストへと大きく進化を遂げた時代であり、その過程を聴ける貴重な資料となっています。
ここでは収録曲を1曲ずつ紹介し、その聴きどころや魅力を徹底解説します。
Disc 1の全曲紹介と解説
Disc 1の冒頭を飾るのは「Real Love」。ジョン・レノンのデモを基に
1995年に残りのメンバーが演奏を加えた感動的な「新曲」です。
続く「Yes It Is」は、ジョンのガイドボーカルが気怠くも魅力的な未完成テイクで、ジョンの歌声の持つ魔力を再認識させられます。
また、ポールの「I’m Down」は、ロックンロール魂が爆発するテイク1。後の「Hey Bulldog」へと繋がるエネルギーを感じられる一曲です。
他にも、ジョンのカウントがクールな「You’ve Got to Hide Your Love Away」、リンゴの未発表曲「If You’ve Got Trouble」、ポールの「That Means a Lot」など、未発表曲や別テイクが多数収録されています。
「Yesterday」のテイク1はストリングスなしのシンプルなアレンジで、ポールの弾き語りが際立つ貴重なバージョンです。公式版とは歌詞の順番が異なる点も興味深いです。
「Blackpool Night Out」でのライブ音源や、「Shea Stadium」での熱気あふれる「Everybody’s Trying to Be My Baby」も必聴です。
Disc 1を聴くだけで、ビートルズの進化と当時の空気感がひしひしと伝わってきます。
Disc 2の全曲紹介と解説
Disc 2では、ビートルズのサイケデリック期の楽曲制作の裏側が浮き彫りになります。特に「Strawberry Fields Forever」のデモからテイク7までの流れは、まさに楽曲が生まれていく過程をリアルタイムで追体験できる貴重な記録です。
「Penny Lane」や「A Day in the Life」も、未完成テイクならではの荒削りな魅力があり、後の完成版との違いを聴き比べるのが楽しいポイントです。
ジョージの「Only a Northern Song」、ジョンの「Being for the Benefit of Mr. Kite!」も、テイクごとの微妙な違いがわかり、彼らの試行錯誤が感じられます。
インド音楽の影響が色濃い「Within You Without You」のインストゥルメンタルや、「You Know My Name (Look Up the Number)」のユーモラスな構成も必聴です。
Disc 2を通して、ビートルズが実験的な試みを恐れず、新しい音楽表現を追求していた姿が鮮明に浮かび上がってきます。
未発表音源でわかるビートルズの進化
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」では、数多くの未発表音源が収録されており、彼らの音楽的進化の軌跡を鮮明に感じ取ることができます。
特に1965年から1967年は、ビートルズがポップアイドルからスタジオアーティストへと変貌を遂げた重要な時期であり、その変化が楽曲のテイクやデモ音源から垣間見えます。
たとえば、「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」のTake 1では、公式版よりキーが低く、より内省的な響きが漂います。さらに「I’m Looking Through You」の初期テイクでは、後に追加される「Why, tell me why〜♪」のフレーズがまだ存在せず、骨太で力強いサウンドが印象的です。
また、「Got To Get You Into My Life」の別テイクは、ホーンセクションが未追加でシンプルな構成であり、ポールの歌声とバンドの一体感がより生々しく伝わってきます。
「Tomorrow Never Knows」のテイク1は、既にサイケデリックな雰囲気が漂っており、後の完成版とは異なるリズムパターンを試している様子がわかります。
「Strawberry Fields Forever」は特に印象深く、ジョンのデモからスタジオテイクへと進化していく過程を追体験でき、楽曲が形を変えていく瞬間を聴き取れます。
このような未発表音源は、完成版とは異なるアレンジや雰囲気を持っており、「曲がどのようにして出来上がったのか」というプロセスを知る上で非常に貴重です。
「You Know My Name (Look Up The Number)」のロングバージョンや、「I Am The Walrus」の装飾を加える前の骨格だけのバージョンなど、ファンにはたまらない音源も多数含まれています。
ビートルズがアイデアを出し合い、実験的な試みを重ねて新しい音楽表現を模索していった様子が、このアンソロジーを通じてリアルに感じられます。
ライブテイクで体感するビートルズの熱狂
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」に収録されたライブテイクは、スタジオ録音では味わえないビートルズの熱狂的なパフォーマンスを体感できる貴重な音源です。
特に注目すべきは、1965年のテレビ番組「Blackpool Night Out」での演奏です。ポールがソロで歌う「Yesterday」は、ジョージの「それではリヴァプールからやってきたポール・マッカートニーさん、張り切ってどうぞ!」という紹介に続き、ジョンが「ありがとう、リンゴ。素晴らしかったよ!」と冗談を飛ばす、ビートルズらしいユーモアが溢れる名シーンです。
また、シェア・スタジアム公演での「Everybody’s Trying to Be My Baby」や、日本武道館での「Rock and Roll Music」「She’s a Woman」も収録されています。武道館公演では、マイクのトラブルや半音下げての演奏など、リアルなライブ感がそのまま残されており、当時の熱気を感じさせます。
こうしたライブ音源からは、スタジオ録音とは異なる、観客の歓声や空気感、メンバー同士のやり取りまで含めた「ライブならではの一体感」が感じ取れます。
ビートルズが世界中のファンを熱狂させた理由が、こうしたライブパフォーマンスからもはっきりと伝わってくるのです。
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」は、スタジオワークの裏側だけでなく、ライブという別の顔を持つ彼らの魅力を再発見できる作品です。
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」全収録曲と解説
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」は、ビートルズが1965年から1967年にかけて制作した楽曲のデモや未発表テイク、ライブ音源を集めた貴重なアルバムです。以下では全収録曲を紹介し、その背景や聴きどころを解説します。
Disc 1
- リアル・ラヴ – ジョン・レノンのデモに後年メンバーが加わった感動の“新曲”。
- イエス・イット・イズ – ジョンのガイドボーカルが魅力的な未完成テイク。
- アイム・ダウン – ポールのロックンロール魂が炸裂する初期テイク。
- 悲しみはぶっとばせ – アコースティックギターが心地よい未発表音源。
- イフ・ユーヴ・ガット・トラブル – リンゴのリード曲で、明るいロック調。
- ザット・ミーンズ・ア・ロット – ポール作の未発表曲。実験的なサウンドが特徴。
- イエスタデイ – ストリングスなしの貴重なテイク1。
- イッツ・オンリー・ラヴ – ジョンのボーカルが際立つ別テイク。
- アイ・フィール・ファイン – 1965年の「Blackpool Night Out」ライブ音源。
- 涙の乗車券 – 同じく「Blackpool Night Out」での熱気ある演奏。
- イエスタデイ – ポールのソロ、ジョージとジョンの軽妙なMCが光る。
- ヘルプ – ジョンがリードするライブテイク。
- みんないい娘 – シェイ・スタジアムでのパフォーマンス。
- ノーウェジアン・ウッド(ノルウェーの森) – 初期テイクでより内省的な響き。
- 君はいずこへ – 後の追加パートが未完成の段階。
- 12・バー・オリジナル – ジャムセッション風のインスト曲。
- トゥモロー・ネバー・ノウズ – リズムパターンの異なる初期テイク。
- ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ – ホーンなしのシンプルなアレンジ。
- アンド・ユア・バード・キャン・シング – ジョンとポールの笑いが止まらない遊び心満載のテイク。
- タックスマン – ジョージのリードが冴える別バージョン。
- エリナー・リグビー(ストリングス・オンリー) – ストリングスのみで楽曲の構成美を堪能。
- アイム・オンリー・スリーピング(リハーサル) – 制作過程を垣間見るリハ音源。
- アイム・オンリー・スリーピング(テイク 1) – ドリーミーな世界観が漂う初期録音。
- ロックン・ロール・ミュージック – 日本武道館公演での臨場感溢れる演奏。
- シーズ・ア・ウーマン – 武道館公演での熱気溢れるライブテイク。
Disc 2
- ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(デモ・シークエンス) – ジョンの自宅録音。曲作りの初期段階を知る貴重な音源。
- ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク 1) – スタジオ録音の初期テイク。アレンジの変遷が興味深い。
- ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク 7/エディット・ピース) – 完成形への過程がよくわかる編集版。
- ペニー・レイン – ブラスアレンジが異なる別バージョン。
- ア・デイ・イン・ザ・ライフ – 制作過程が垣間見える複数テイク。
- グッド・モーニング・グッド・モーニング – ドラムが強調された骨格版。
- オンリー・ア・ノーザン・ソング – サイケデリックなサウンドの別テイク。
- ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(テイク 1&2) – 初期演奏で異なるアレンジが聴ける。
- ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(テイク 7) – サーカスのような雰囲気が加わった完成形に近いバージョン。
- ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ – アレンジが異なる初期テイク。
- ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー(インストゥルメンタル) – インド音楽の影響が色濃い美しいインスト。
- サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ) – 活気あるライブ風演奏。
- ユー・ノウ・マイ・ネーム – ユーモラスな楽曲のロングバージョン。
- アイ・アム・ザ・ウォルラス – 装飾前の骨組みが聴けるテイク。
- フール・オン・ザ・ヒル(デモ) – ポールのシンプルなデモバージョン。
- ユア・マザー・シュッド・ノウ – 初期テイクで装飾が控えめなアレンジ。
- フール・オン・ザ・ヒル(テイク 4) – アレンジが発展途上の録音。
- ハロー・グッドバイ – 新鮮な響きの別テイク。
- レディ・マドンナ – ミックス違いのバージョンで、新たな魅力。
- アクロス・ザ・ユニバース – 初期段階のシンプルなアレンジ。
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」まとめ:未発表音源とライブテイクで辿るビートルズの進化の軌跡
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」は、ビートルズの音楽的進化を感じられる貴重な作品です。
ポップアイドルとしての華やかな姿から、スタジオワークに没頭し、新たな音楽表現に挑戦するアーティストとしての顔へ――ビートルズが歩んだ軌跡が未発表音源やデモ、ライブテイクから鮮やかに浮かび上がります。
特に「Strawberry Fields Forever」の制作過程や「Got To Get You Into My Life」のホーンなしバージョン、「I’m Looking Through You」の初期テイクなどは、完成された名曲の裏にある試行錯誤の跡を感じられ、音楽制作の面白さを再認識させてくれます。
一方で、「Blackpool Night Out」やシェイ・スタジアム、日本武道館での熱気あふれるライブテイクは、観客と一体になって音楽を楽しむバンドの姿を見せてくれます。
「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」は、ビートルズが残した膨大な録音の中から生まれた「もう一つの歴史」を感じることができる、ファン必携の一枚です。
ぜひ、彼らの進化の軌跡を耳で感じながら、もう一度ビートルズの音楽の魅力に浸ってみてください。
この記事のまとめ
- 「ザ・ビートルズ・アンソロジーVol.2」は1965〜67年の未発表音源を中心に構成
- 収録曲はデモ音源、別テイク、ライブテイクを含む全曲を解説
- ポップアイドルからスタジオアーティストへの進化の過程を感じ取れる
- 「Strawberry Fields Forever」の制作過程が特に興味深い
- 「Blackpool Night Out」やシェイ・スタジアムなどのライブ音源も収録
- ビートルズの実験精神や音楽的挑戦が生々しく記録されている
- 未発表音源を通して、楽曲が完成するまでの裏側を知ることができる
- ファン必携の一枚であり、彼らの軌跡を辿る音楽的ドキュメント

