ポール・マッカートニー『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』Freedom収録の背景とは?時代を映す名演解説

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2002年に発売されたポール・マッカートニーのライブアルバム『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』は、
ビートルズ時代の名曲からソロ・ウイングス期の代表曲、そして当時の最新作『Driving Rain』収録曲までを網羅した豪華2枚組作品です。
その中でも特に注目を集めたのが、新曲「Freedom」の収録でした。

本作は2002年USツアーの模様を収めたライブ盤であり、同時多発テロ後のアメリカ社会を背景に制作・披露された「Freedom」は、
単なるセットリストの一曲ではなく、時代そのものを象徴するメッセージソングとして大きな意味を持っています。
本記事では「Freedom」誕生の背景、ライブでの演奏の意義、そしてアルバム全体における位置づけを詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 『バック・イン・ザ・U.S.』と『バック・イン・ザ・ワールド』の違い
  • 2002年USツアーのセットリスト全体像!
  • 「Freedom」を含む時代背景とライブの意義
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『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』とはどんな作品か

『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』は、2002年11月26日にアメリカで発売されたポール・マッカートニーの公式ライブアルバムです。

同年に行われた2002年USツアーの模様を収録した2枚組作品であり、ビートルズ、ウイングス、そしてソロ期の楽曲を網羅した集大成的な内容になっています。

単なるヒット曲集ではなく、同時代の空気を映し出す楽曲「Freedom」や『Driving Rain』収録曲も含まれ、21世紀のポールの現在地を示すライブ盤として高い評価を受けています。

本作の最大の特徴は、全33曲という圧倒的なボリュームのセットリストにあります。

「Hello Goodbye」で華やかに幕を開け、「Hey Jude」「Let It Be」「Yesterday」といった歴史的名曲を惜しみなく披露しながら、「Driving Rain」や「Freedom」といった当時の新曲も堂々と並べる構成は、過去の栄光と現在進行形の創作活動を同列に提示する挑戦的な姿勢を感じさせます。

私はこの構成に、ポールが“ビートルズの元メンバー”ではなく現役アーティストとしてステージに立ち続ける覚悟を見ます。

また、本作はアメリカ盤として発売された後、楽曲や編集を一部変更した『Back In The World』が海外向けにリリースされました。

この違いは単なるタイトル変更ではなく、地域ごとの市場や演出意図を反映したものであり、ポールのツアー戦略を理解するうえでも興味深いポイントです。

つまり『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』は、2002年という時代を記録したドキュメント作品であると同時に、キャリア総括型ライブの完成形でもあるのです。

収録曲全曲紹介|ディスク別ガイド

『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』は2枚組全35曲構成で、ビートルズ、ウイングス、ソロ期、そして『Driving Rain』楽曲までを網羅した集大成的ライブ作品です。

ここでは全収録曲をディスクごとに整理し、それぞれの意味と聴きどころを簡潔に紹介します。

ディスク1|原点と現在をつなぐ前半セット

  • ハロー・グッドバイ:意外にも本格的ライブ初披露となった華やかなオープナー。
  • ジェット:ウイングス期を代表する疾走ロックで一気に会場を加熱。
  • オール・マイ・ラヴィング:初期ビートルズの爽快感を再現。
  • ゲッティング・ベター:『サージェント・ペパー』収録曲を力強く再構築。
  • カミング・アップ:80年代ソロヒットをロック色強めに演奏。
  • レット・ミー・ロール・イット:ブルージーなギターが光る定番曲。
  • ロンリー・ロード:『Driving Rain』からの骨太ナンバー。
  • ドライヴィング・レイン:ライブ向けに大胆アレンジされたタイトル曲。
  • ユア・ラヴィング・フレーム:ピアノ弾き語りで響く感動的バラード。
  • ブラックバード:アコースティック一本で魅せる静寂の名演。
  • エヴリナイト:初期ソロの名曲を温かみある弾き語りで。
  • 恋を抱きしめよう:観客の歓声が印象的なアコギ演奏。
  • マザー・ネイチャーズ・サン:素朴で優しいアレンジが映える。
  • バニラ・スカイ:映画主題歌をライブで再現した貴重音源。
  • キャリー・ザット・ウェイト:『アビー・ロード』メドレーの象徴的楽曲。
  • ザ・フール・オン・ザ・ヒル:エレピ中心の穏やかな再解釈。
  • ヒア・トゥデイ:ジョン・レノンへ捧げた追悼曲。
  • サムシング:ジョージ追悼としてのウクレレ演奏が胸を打つ。

ディスク2|怒涛の後半ハイライト

  • エリナー・リグビー:重厚なアレンジで蘇る名バラード。
  • ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア:美しいコーラスが際立つ。
  • バンド・オン・ザ・ラン:ライブの中核を成す代表曲。
  • バック・イン・ザ・USSR:アルバムタイトルの由来となる大盛り上がり曲。
  • 恋することのもどかしさ:魂を込めたピアノ弾き語りの名演。
  • Cムーン:レゲエ風味の軽快なレア曲。
  • マイ・ラヴ:甘美なメロディが会場を包む。
  • キャント・バイ・ミー・ラヴ:初期ビートルズの高揚感を体現。
  • フリーダム:同時多発テロ後のメッセージを込めた象徴的楽曲。
  • 007 / 死ぬのは奴らだ:派手な演出で魅せる定番ロック。
  • レット・イット・ビー:世代を超えて響くアンセム。
  • ヘイ・ジュード:観客参加型の大合唱が圧巻。
  • ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード:しっとりとしたアンコール前半。
  • レディ・マドンナ:軽快なピアノが楽しい名曲。
  • アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア:ロックンロール原点回帰。
  • イエスタデイ:永遠のスタンダードを静かに披露。
  • サージェント・ペパーズ|ジ・エンド:壮大なメドレーで締めくくる感動のフィナーレ。

2002年USツアーと「Freedom」が生まれた時代背景

2002年USツアーは、ポール・マッカートニーにとって新世紀最初の本格的大規模ツアーでした。

リンダ亡き後の新バンド体制で行われ、全米を中心に大成功を収めた歴史的ツアーとして語り継がれています。

しかしその背景には、2001年9月11日に発生した同時多発テロという、世界を揺るがす出来事がありました。

事件直後、ポールはニューヨークで足止めされ、現地の空気を直接体験します。

その衝撃と市民の姿に触発されて生まれたのが、「Freedom」でした。

彼はチャリティ公演「The Concert for New York City」でこの曲を初披露し、自由の尊さをシンプルかつ力強く歌い上げます。

「Freedom」は、スタジオ版がアルバム『Driving Rain』に収録されました。

『Driving Rain』は内省的な楽曲が多いアルバムですが、その中にあって「Freedom」は社会的メッセージを前面に出した異色の存在です。

私はこの配置に、ポールが“時代に対して沈黙しない姿勢”を明確に示した意思を感じます。

2002年USツアーでの「Freedom」は、単なる新曲披露ではありませんでした。

ビートルズの名曲が連なるセットリストの中で演奏されることで、過去の平和へのメッセージと現在の社会的願いが一本の線でつながる瞬間が生まれていたのです。

観客が「Freedom!」と繰り返す場面は、まさに2002年という時代の記憶そのものだと言えるでしょう。

ライブで輝く「Freedom」―セットリストの中での役割

『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』のセットリストは、ビートルズ黄金期からウイングス、そしてソロ期までを横断する壮大な構成です。

その中に配置された「Freedom」は、単なる新曲という枠を超えた意味を持っていました。

歴史的名曲の数々に囲まれながらも、この楽曲は確かな存在感を放っています。

例えば「Back In The U.S.S.R.」や「Band On The Run」といった高揚感あふれるロックナンバーの流れの中で披露されることで、
「Freedom」は観客の感情を現在へと引き戻す役割を果たします。

過去の名曲で盛り上がった熱量を、現代のメッセージへと転換する装置のような位置づけです。

私はこの流れに、ポールの卓越したステージ構成力を感じます。

ライブ版「Freedom」は、スタジオ版以上にコール&レスポンスが強調されています。

観客が「Freedom!」と繰り返す一体感は、単なる楽曲鑑賞を超えた共有体験へと昇華しています。

2002年という不安と希望が交錯する時代において、この瞬間は大きな意味を持っていたはずです。

また、本作にはジョン・レノンへの「Here Today」、ジョージ・ハリスンへの「Something」という追悼パフォーマンスも収録されています。

それらと並ぶことで、「Freedom」は“過去への敬意”と“未来への祈り”を結ぶ象徴的楽曲として機能しています。

だからこそ『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』は、単なるベストヒットライブではなく、時代の記録として語り継がれる価値を持つのです。

『Back In The World』との違いと日本盤情報

『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』はアメリカ向けに編集されたライブアルバムですが、
その後、海外市場向けに再構成された作品が『Back In The World』です。

一見するとタイトル違いの同一作品に思えますが、実際には収録曲やミックス、曲順に違いがある別編集盤となっています。

この違いを知ることで、2002年ツアーの全体像がより立体的に見えてきます。

最大の違いは、「Freedom」の扱いです。

『バック・イン・ザ・U.S.』には「Freedom」が収録されていますが、『Back In The World』には収録されていません。

これは楽曲が持つアメリカ国内向けの強いメッセージ性を反映した編集方針だと考えられます。

また、「Hello Goodbye」や「Vanilla Sky」などの扱いにも違いが見られます。

同じ2002年USツアー音源でありながら、地域ごとに最適化されたライブ体験を提供する意図が感じられます。

私はこの編集の違いから、ポールがマーケットごとの空気を意識しながら作品を提示している柔軟さを読み取ります。

日本盤は東芝EMIから発売され、輸入盤とは品番や流通形態が異なります。

発売日は2002年11月26日(米国)で、日本盤も同時期にリリースされました。

帯・解説・歌詞対訳が付属する日本盤は、当時のファンにとって貴重なコレクターズアイテムでもありました。

つまり本作は、単なるライブ記録ではなく、
編集方針や市場戦略まで含めて語るべき2000年代初頭の重要作品なのです。

「Freedom」の有無を軸に聴き比べてみると、その違いはより鮮明に感じられるでしょう。

収録曲全曲紹介|ディスク別ガイド

『バック・イン・ザ・ワールド』は2002年USツアー音源を再編集した2枚組ライブ作品で、『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』とは収録曲やミックスが一部異なります。

ここでは全収録曲をディスクごとに整理し、それぞれの意味と聴きどころを簡潔に紹介します。

ディスク1|再始動を告げる前半ステージ

  • ハロー・グッドバイ:華やかなオープニングでツアーの幕開けを飾る。
  • ジェット:ウイングス期の代表的ロックで一気に加速。
  • オール・マイ・ラヴィング:初期ビートルズの爽快感を再現。
  • ゲッティング・ベター:『サージェント・ペパー』収録曲を力強く演奏。
  • カミング・アップ:80年代ソロヒットをストレートなロックで披露。
  • レット・ミー・ロール・イット:ブルージーなギターが映える定番曲。
  • ロンリー・ロード:『Driving Rain』からの骨太ナンバー。
  • ドライヴィング・レイン:ライブ仕様に進化したタイトル曲。
  • ユア・ラヴィング・フレーム:感情豊かなピアノ弾き語り。
  • ブラックバード:静寂を支配するアコースティック名演。
  • エヴリナイト:初期ソロ期の温もりある名曲。
  • 恋を抱きしめよう:観客の歓声が印象的な弾き語り。
  • マザー・ネイチャーズ・サン:素朴で優しいアレンジが魅力。
  • キャリー・ザット・ウェイト:『アビー・ロード』メドレーの象徴的楽曲。
  • ザ・フール・オン・ザ・ヒル:エレピ主体の穏やかな再解釈。
  • ヒア・トゥデイ:ジョン・レノンへの追悼バラード。
  • サムシング:ジョージを偲ぶウクレレ演奏が胸を打つ。

ディスク2|欧州向け再編集ハイライト

  • エリナー・リグビー:重厚なアレンジで蘇る名曲。
  • ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア:繊細なコーラスが光る。
  • カリコ・スカイズ:ウイングス後期の隠れた名曲を披露。
  • ミッシェル:フランス語パートが印象的な代表曲。
  • バンド・オン・ザ・ラン:ライブの中核を成す名演。
  • バック・イン・ザ・USSR:タイトルを象徴する大盛り上がり曲。
  • 恋することのもどかしさ:魂のこもったピアノ弾き語り。
  • 幸せのノック:軽快で親しみやすいウイングス期ヒット。
  • マイ・ラヴ:甘美なメロディが会場を包む。
  • シーズ・リーヴィング・ホーム:壮麗なバラードを丁寧に再現。
  • キャント・バイ・ミー・ラヴ:初期ビートルズの勢いを体現。
  • 007 / 死ぬのは奴らだ:派手な演出で魅せる定番曲。
  • レット・イット・ビー:世代を超えて響くアンセム。
  • ヘイ・ジュード(ニュー・ミックス):欧州盤用に再構築された大合唱。
  • ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード:しっとりとした名バラード。
  • レディ・マドンナ:軽快なピアノが弾む。
  • アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア:ロックンロール原点回帰。
  • イエスタデイ:永遠のスタンダードを静かに披露。
  • サージェント・ペパーズ|ジ・エンド:壮大なメドレーで締めくくる圧巻のフィナーレ。

ポール・マッカートニー『バック・イン・ザ・ワールド』を聴く

総括:「Freedom」が刻んだ2002年という時代

『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』は、単なるベストヒット型ライブアルバムではありません。

ビートルズの名曲群、ウイングスの代表曲、そして『Driving Rain』収録曲を並列に配置しながら、
2002年という時代そのものを封じ込めたドキュメント作品となっています。

その中心にあるのが「Freedom」でした。

ジョン・レノンへの「Here Today」、ジョージ・ハリスンへの「Something」という追悼パフォーマンスは、
ポールの人生とビートルズの歴史を振り返る重要な場面です。

しかしそこに「Freedom」が加わることで、
過去への敬意だけでなく“今を生きるメッセージ”が明確に提示されます。

私はこの構図こそが、本作を特別な存在にしている最大の理由だと感じています。

ライブ終盤、「Let It Be」「Hey Jude」といった普遍的アンセムが響き渡る中で、
観客とともに叫ばれる「Freedom」。

それは単なる楽曲のタイトルではなく、
不安な時代を生きる人々へのエールとして鳴り響いていました。

ポール・マッカートニーが“過去のレジェンド”ではなく、常に現在進行形のアーティストであることを証明した瞬間です。

だからこそ『バック・イン・ザ・U.S. -ライブ2002』は、
「Freedom」が刻まれているからこそ意味を持つライブアルバムだと言えるでしょう。

2002年USツアーの熱狂とともに、時代の空気を体感できる一枚として、
今あらためて聴き直す価値のある作品です。

この記事のまとめ

  • 2002年USツアーを記録した公式ライブ盤
  • ビートルズ名曲満載の豪華セット!
  • 『Driving Rain』楽曲の進化形ライブ
  • 「Freedom」に込めた時代のメッセージ
  • ジョン&ジョージ追悼の感動演奏
  • 『Back In The World』との収録曲の違い
  • 地域別編集に見るポールの戦略性
  • 過去と現在を結ぶ歴史的ライブ作品
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