1931年1月30日に公開された映画『街の灯』。
この記事では、映画『街の灯』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『街の灯』の予告編
チャップリンの代表作で1931年のサイレント映画。浮浪者が片思いを寄せる盲目の娘の目の手術代を工面するために大騒動を引き起こすコメディですが、切ない現実をも描き心打つ名作です。孤軍奮闘する姿はスラップスティック・コメディで、チャップリンの曲芸的な身のこなしが見所で、笑って泣いてのハートウォーミング作品です。
映画『街の灯』のあらすじ(ネタバレなし)
チャップリン扮する浮浪者がある夜自殺を図ろうとした男を説得して助け、命の恩人とばかり彼を家に招き入れ酒を酌み交わしすっかり意気投合しました。ところが翌朝を迎えるとまるで記憶がなかったかのように恩人の事を忘れ、汚らしいものを追い出すように浮浪者を扱うのでした。男は酒に酔った時だけ親切になる大富豪でした。以降偶然に街で出会った時も既に酔っぱらっており、チャップリンを旧友のようにして待遇するのでした。ふと見かけた盲目の花売り娘に心動かされ、富豪の金で花を全部買い、富豪の車で家まで送り、すっかり娘はチャップリンが富豪だと勘違いしてしまうのでした。
再び出会った富豪に訳を話すと気前よく1000ドルもくれたものの、酔いが覚めおまけに強盗まで登場し、金を盗られたと訴える始末になんとか娘に1000ドルを渡すことが出きました。
刑務所から出たチャップリンがふと見れば目の手術に成功し明るく花を売っている娘が。
映画『街の灯』の解説
サイレントからトーキーへの過渡期の作品ですが、パントマイムにセリフは不要と意地でサイレントに固執した作品。とは言え、セリフは字幕タイトルが出るものの作曲にも非凡な才能を持つ彼自身の曲を伴奏として全編に流すサウンド版として公開されました。完璧主義者の面目如実で制作には約3年も要したとか。その甲斐あって公開後は大成功を収め莫大な収益だけでなく、内容的にも絶賛の評価を受けました。
純情華憐な娘役のヴァージニア・チェリルですが、実際の彼女の我儘には相当にチャップリンは手を焼いたとされております。女優と言うよりセレブに接近する美女のようで、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストとか興行王フローレンツ・ジークフェルドさらにアラン・ラッドの妻の親友に収まったりしていたようです。ハーストの愛人マリオン・デイヴィスに入れ知恵され週給の倍増を要求までもしたようです。役とは正反対とは驚きでした。
映画『街の灯』のみどころ
花売り娘が盲目の設定、大富豪が酒に酔っている時だけ親身の設定、この2つを掛け合わせたチャップリン自身による脚本が秀逸です。当時の活況のある街並み描写と裏腹に困窮する浮浪者との格差が物語の核となってます。新聞売りの少年の様子など随所に当時の世相を見て取れます。
圧巻はボクシングシーンで、パントマイムの神髄の面白さをたっぷり堪能できます。強盗との絡みもシチュエーションコメディの原型のような出来栄えで、以降のハリウッドの作劇のお手本となってます。
あまたの苦労の甲斐もあり、視力を取り戻した娘にとってチャップリンは神様のような存在で、盲目の時からその温かい手の温もりを忘れてはおりません。映画史に残るこのラストシーンは必見です。
映画『街の灯』の感想
大いに笑って、心に染みるラストまで完璧な娯楽映画であり、喜劇王の枠に収まらないチャップリンの功績を讃えたい。一つの作品に3年もかけるなんて、現代では経済的視点から許されるものでなく、逆に言えばチャップリンの当時の強大な力が偲ばれます。ラストシーンのその後に思いを馳せることも出来る名作中の名作です。
映画『街の灯』の登場人物・キャスト
放浪者(リトル・トランプ):チャールズ・チャップリン
盲目の花売り娘:ヴァージニア・チェリル
花売り娘の祖母:フローレンス・リー
富豪:ハリー・マイヤーズ
富豪の執事:アラン・ガルシア
市長、花売り娘の階下の住人:ヘンリー・バーグマン
放浪者の相手のボクサー:ハンク・マン
迷信のボクサー:ヴィクター・アレクサンダー
医師:T・S・アレクサンダー
警官:ハリー・エイヤース
道路清掃夫、強盗:アルバート・オースチン
レフェリー:エディ・ベイカー
レストランの女性:ベティ・ブレア
禿げたパーティーの招待客:バスター・ブロディ
新聞の立ち売りの少年:ロバート・パリッシュ、マーガレット・オリヴァー
花屋のアシスタント:ミセス・ハイアムズ
葉巻を拾おうとした浮浪者:ジョン・ランド
背の高いパーティーの招待客:ジャック・サザーランド
アートショップの前のエレベーターの男:タイニー・ウォード
葉巻の上に座るレストランの客:フローレンス・ウィクス
映画『街の灯』のスタッフ
監督:チャールズ・チャップリン
脚本:チャールズ・チャップリン
製作:チャールズ・チャップリン
音楽:アルフレッド・ニューマン、チャールズ・チャップリン
撮影:ローランド・トザロー、ゴードン・ポロック
編集:チャールズ・チャップリン

