1963年10月1日に公開された映画『野のユリ』。
この記事では、映画『野のユリ』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『野のユリ』の予告編
黒人青年のホーマーはアリゾナで放浪していた時に、一軒の家に辿り着きます。そこには、東ドイツからの亡命した修道女たちが住んでいました。
ホーマーのことを神が遣わした者だと信じ込んだ彼女たちは、教会を建てるのを手伝ってくれるよう頼み込むことから、物語が始まります。
最初は嫌がっていたホーマーは、彼女たちのペースに飲まれて、徐々に協力するようになります。様々な紆余曲折を経て、教会堂が完成しますが、ホーマーはまた放浪の旅に戻ったのでした。
映画『野のユリ』のあらすじ(ネタバレなし)
旅の途中で車が壊れてしまったホーマーを助けた修道女たちは、代わりに教会堂の建設を手伝ってくれるよう、ホーマーに頼み込みます。彼女たちは、ホーマーのことを神が遣わした者だと信じたのです。
マタイによる福音書6章28節部分から、この映画のタイトルはつけられています。物語の途中で、マリア院長が、賃金を求めたホーマーに対して、この聖書の箇所を引っ張って、支払いを渋るシーンでは、まるでお金ではない大切なものを諭すかのようでした。
しかしこの映画は、宗教的に偏ることはなく、かと言って感傷的になることもなく、物語は教会堂の建設に向けて、一貫してほのぼのと進められていきます。
映画『野のユリ』の解説
W・E・バレットの小説を原作として、ジェームズ・ポーが脚本を手掛けたこの映画は、1963年にアメリカで、翌年には日本でも公開されました。製作費$247,500が費やされ、興行収入$2,500,000を記録しています。
映画のタイトルは、新約聖書マタイによる福音書第6章28節から、イエスが語った「明日のことを思い煩うな」という意味のたとえとして語った言葉から取られました。
製作をレインボー・プロダクションズが、配給をユナイテッド・アーティスツが担い、主演のシドニー・ポワチエは、この映画で黒人で初めてアカデミー主演男優賞を受賞しています。
映画『野のユリ』のみどころ
建築仕事に自信のあり、プライドを刺激されたホーマーは、教会の建設を手伝い始めますが、ホーマーは教会を自分の作品にしたいと思い、地域の人の協力を断ってしまいます。しかし途中で考えを改めたホーマーは、地域の人たちと建設を進めるようになります。
一方で、マリア院長を始めとする修道女たちは、寄付を募り、地元にある建設会社に資材提供を頼み込みます。
教会堂の建設までの紆余曲折が、ゆっくりと描かれていきますが、教会堂が完成した夜に、ホーマーは再び旅へと戻っていくのでした。
悲しみや苦しみに浸ることなく繰り広げられる物語に、友情や信頼、プライドや情熱を問いかけられる作品でした。
映画『野のユリ』の感想
助けたのだから、助けて欲しい。このいかにも当たり前かのような頼みをマリア院長は、神の遣いだと信じ込んでホーマーに頼みます。そして、ホーマーもその頼みの中に、自分にできることを探し出そうとします。
ほのぼのと描かれていく信頼や情熱がタイトルにあった聖書箇所である「明日のことを思い煩うな」という言葉に繋がる気がしました。
映画『野のユリ』の登場人物・キャスト
ホーマー・スミス: シドニー・ポワチエ
マザー・マリア: リリア・スカラ
シスター・ゲルトルード: リサ・マン
シスター・アグネス: アイサ・クリノ
シスター・アルベルティネ: フランチェスカ・ジャービス
シスター・エリザベス: パメラ・ブランチ
ホアン・アキリート: スタンリー・アダムス
マーフィー神父: ダン・フレイザー
ハロルド・アシュトン: ラルフ・ネルソン
映画『野のユリ』のスタッフ
監督:ラルフ・ネルソン
脚本:ジェームズ・ポー
原作:ウィリアム・エドマンド・バレット
製作:ラルフ・ネルソン
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影:アーネスト・ホーラー
編集:ジョン・W・マカファーティー

